【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~


「お〜い!准、戻って来〜い」


耳元で大声で言われて、我に返った。


「健吾!加減を考えろ!耳痛いし・・・」


耳を押さえながら、顔を歪め健吾に訴えた。


「それより、告白はどうするん?しないんか?」


「今したら、母さんたちの思う壷やから・・・あることを思い付いたんや」


「あること?」


机に肘を付きながら、興味なさ気に聞いていた。


「そう。わざと罠にかかったフリをするんや!」


「へ〜」


力説している俺とそれを聞いている健吾とは明らかに温度差があった。


「もうちょっと、興味示してくれよ〜」


「罠にかかるって言っても、どうせ美沙ちゃんのことを褒めるとかやろ?」


「チッチッチッ、健吾くん甘いですよ」


得意げな顔をし、人差し指を立て、左右に動かした。


「じゃあ、何するん?」


「よく聞いてくれました!」


「早く言え!」


健吾は、もったいぶる俺にイライラしているようだったので、話すことにした。




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