【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
「世話がやけて悪かったな」
少し拗ねながらいう言葉にも美沙は余裕の笑顔で・・・。
「またそうやって拗ねるし!」
と、言うのを見て、心の中で弁解していた。
ちがう・・・美沙が言った言葉に拗ねてるんじゃなくて、自分が想像した男に妬いてしまったからなんや・・・。
そんなことは言えるはずもなく、モヤモヤしたものを隠し、美沙に笑顔を返した。
「うるさいなぁ」
「うるさい?准のくせに生意気!」
俺が、めんどくさそうに言うと、美沙の顔色が変わり、お決まりの台詞が出て来た。
「ほらまた出た!『准のくせに生意気!』そんなことばっかり言ってたら、男が逃げるぞ?」
電車を降りながら強気に言うと、前に進もうとするがなぜか体は思うように前へ進めず、ゆっくりと振り返ると、美沙が俺の上着を引っ張っていた。
しかし、その力は弱く、無理矢理前に進めば十分進むことができる強さである。