【完結】 甘い罠〜幼なじみは意地悪女~
「准、行くで!」
ホームをどんどん歩いていく、美沙についていくしかなかった。
駅からすぐの遊園地に着くと准は二人分のチケットを買って、美沙に渡した。
「准、自分の分払うよ」
そう言いながら財布を出そうとする美沙を見ながら、
「たまには、俺にかっこつけさせてよ」
と言った瞬間、自分で言ったにも関わらず、鼓動が早くなるのがわかった。
「えっ・・・」
美沙の驚いた顔を見た俺は、次の言葉を探した。
「母さんに小遣いもらったからね〜」
俺は、アホや・・・。
なんでここでもうちょっと気の利いたことが言えんかな・・・。
「おばさんかわいそうに」
笑みを零しながら返してくれた美沙に少し安心していた。
それにしても休日だから混んでるなぁ・・・。
俺ら先には、家族連れや恋人たちでごった返していた。
「准!ぼーっとしてたら迷子になるで!ほらっ!」
そう言って出されたのは、美沙の右手だった。
「えっ・・・」
「高校生にもなって迷子になんてなったら、私が恥ずかしいやん!」
「な、なんやと!」
次の言葉を言おうとした瞬間、美沙の手が俺の手を捕らえた。