私はわたしでいたかった。
出会い
静かな夜
今日もママに口うるさく言われた。
この若いエネルギーをこのままにしておくのはもったいないとわたしはおもった。

ポケベルがなる。

こんにちは。はじめまして。よかったら絡みませんか。

電話片手に文字を打つ。


何歳の方ですか。


21で因島にすんでるよ。


その後もやりとりをする。
公衆電話で携帯電話の番号をきいたのでかけてみた。

お互いの会いたいという気持ちが強くなり
修学旅行が終わったら会うことになった。

もちろんママはしらない。



学校はつまらない。みんななんでこんなとこにくるんだろ。早く働きたい。
高校の受験を受けたけど、落ちたら働こうと思っていた。

でも受かった。
一人でママが仕事にいってる間いつも鍵っ子だったわたしは、小さな頃から一人でご飯をつくったりしてた。
一人はもう嫌だよ。

そんなとき声をかけてくれたのは明日香だった。

ねー篠崎さんはなにかしたいことないの?

したいこと?そんなこと考えたこともなかった。

もうすぐ修学旅行だね。同じ班になれるといいな。

正直、友達グループをつくるのは団体行動の苦手な私にとって億劫なものだった。

でも話しかけてくれる私の仲間。
わたしのなかま。大切にしようとおもった。

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