生ものですから本日中にお召し上がりください

「まだ肉が足りなければどうぞ。これでも足りなければまた作ります。違う肉で。おい」

召使いが素早くワゴンの前に立ち、鍋の蓋をあけ、中身をかき混ぜた。



夫婦はそれをじっと睨み付け、言葉を失っていた。


召使いは、鍋からその中身を掬い、新しい皿に流し込んだ。


「ウィンナーに見えますけど、それ、指です」
「………」
「出汁をとるのに10本全てを切り落として中に入れてます」


うっと嗚咽が漏れる。


それだそれだ、その顔がいい。




「さっき召し上がったモノ、覚えてます? ほら、袋の中に入った肉詰め。ナイフで切って中身を削いで食べたでしょう? あれ………」




口許をハンカチで覆った。





もう少しだ。




くくくくく。
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