生ものですから本日中にお召し上がりください

「それはすみませんでした。私の手際が悪くて」


「失礼する」


帽子を取り、相変わらず顔面蒼白のまま。




「…………妹さんは?」


思い出したように婦人が小夜子のことを聞いてきた。





彼女は今は…………





「妹は酒で酔ったりはしませんから。俗に言う、ザルというやつです」

「……はぁ、そうですか。それでは………」


腑に落ちないということなど婦人の顔を見れば分かる。




召使いは客を外まで案内し、俺はそれをニタニタと眺める。






なぜなら……………



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