生ものですから本日中にお召し上がりください
庭では小夜子がいつものように最後の仕事に入っていた。
妹ながらに、残酷なやつだ。
俺は料理は好んでするが、そこまでた。
捌くのは俺の仕事。
飾りつけは小夜子。
喰うのも小夜子だけだ。
俺はそれを見ながら酒を飲んで、料理される前のモノを思い出し、こうなる過程を何度も頭の中で繰り返す。
至福。
小夜子。
あの女は狂っている。
俺よりも、もっと。
チラリと腕時計を見たらそろそろいい時間だ。
夫婦の腹も満たされてきただろう。
満足気な雰囲気でそれが分かる。
傍らで控える召使いに目で合図をし、恭しく頭を下げると部屋から出ていった。