ファンタジー☆プリンセス

何処を探しても姫が見つからないので、最後に城の最上階にある糸紡ぎ部屋へ。


期待と不安が半々…ではなく、不安が期待を3倍以上超えていましたが…

とにかく胸(と妄想と股間)を膨らませて、軋むドアを開きました。



―――オープン!!


カビとホコリの入り雑じった臭いが鼻をつきます。


蜘蛛の巣はあちこちに張り放題。糸車はぼろぼろで、触っただけで崩れ落ちそうです。


その中に。

くすんだピンク色をしたボロ雑巾のようなものが視界の隅に入りました。


「これ、何だ…げほっ、ごほっ、がはぁっ、おぇ」

およそ王子様らしからぬ(王子に憧れている人が見たら一瞬で軽蔑に変わるであろう)咳き込み方をしながら、その物体を覗き込みます。


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