私と君の確かな出来事
“あまり面白くなかったからやる”って言われて貰った本だけど、一流にとっては好みにあったみたい。


「そう。なら良かった」


私はそう返した後、ジッと窓の外を眺めてみた。


出会ってから一流はこうして時々、自分の好みのヤツを見つける。


それは本だったりドラマだったり様々で、何となく“ああ、コレ好きだなぁ……”って分かるんだって。


だけど本っっ当に何となくで、具体的な生前の記憶はまだ無い。


一体いつになったら、一流の記憶は元に戻るんだろう……まさか何も思い出せないまま成仏って事は無いよね?


「フーーー…」
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