私と君の確かな出来事
ア、アレ?


「一流?」


「………」


「ちょっと……どうしたのよ?」


何度呼びかけても、一流からの返事が無い。


私の問いかけを無視しまくっている張本人は、口を半開きにして瞬きもしないで、バスケを始めた大学生4人組を見つめていた。


えっ?もしかして私の声聞こえてない!?


も、もしやこれは成仏の前兆だったりするの!?


「い、一流っ!?」


慌てて一流の左腕を引っ張ると、いつもの様に触る事が出来た。


しかし一流は私が腕に触れている事さえも気づかぬまま、一心不乱にバスケの試合から目を離さない。
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