私と君の確かな出来事
ニコッと笑って褒めてくれた我孫子さんに、「ありがとー♪」と謙遜も遠慮も知らない梓灯。


一方の私は、先程の一流とのやり取りを思い出して軽く動揺してしまった。


私の浴衣はピンクの布地に色とりどりの花の模様が描かれ、何匹か蝶々も飛んでいるカワイイとキレイが半々のヤツ。


セミロングの黒髪はアップにされ、赤い飾りが付いた簪(かんざし)は去年買ったもの。


我、我孫子さんも似合うって言ってくれたって事は、一流の言葉はお世辞では無いって事かな……!?


「我孫子、お前誰かと一緒に来たのか?」


「ええ、3つ上の兄と」
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