私と君の確かな出来事
「からかってなんかいないよ。全部オレの本音。出店前の通路でジロジロ蕾見てる男達の視線も、気に食わなかったなぁ」


まだ出る甘々セリフに、私の頬はもう真っ赤っ赤。


梓灯が頑張ってすくった金魚すくいの金魚より赤くなっている自信が、鏡が無くても出来る位。


「もうムリヤリ腕引っ張って家帰ろうかと思ったんだけど、蕾困るだろうってやめたの。今も…困ってる?」


――――ドーン!


天高く打ち上がった大きな花火が、穏やかに微笑む一流と、一流によって持ち上げられた私達の繋がった手を照らし出した。


困って……いるか………?
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