私と君の確かな出来事
つっても蕾も霊感は全然無くって、オマケにホラー系統は大嫌い。


なのにどうしてかオレの姿は見え、オレが『もっと人生楽しみたかった』と嘆いたら未練をなくす為協力を申し出てくれた、心優しい女の子なんだよな……蕾は。


「郁史風邪大丈夫かなぁ?」


「こんなに暑いのに風邪引くなんて、アイツバカなのかしらね」


「ゲホッ……」


蕾との共通の親友・郁史さんが好きなのに、サラリと暴言を吐く梓灯さん。


思わず咳き込むと、蕾にキッと睨まれた。


「いいじゃん、梓灯さんにはオレの声聞こえてないんだから」


「それでもダメ!」
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