私と君の確かな出来事
自分がもうこの世の人間じゃないって分かった直後は、どれだけ苦しかったか。


誰にも自分の姿が見えないし、自分の声も聞こえない。


人にも物体にも触れず、唯一触れるのは建物のみ。


それらにプラスして、人間だった時の記憶も殆ど無くて……本当に目の前が真っ暗になった。


どうする事も出来ないでたまたま侵入した高校で、蕾が梓灯さんと郁史さんに懸命にオレの存在訴えてるのを聞いた時は、軽く涙出たんだぞ?


こんな事、蕾には言えないけどな。


「んっ?なんか曇って来たな」


ふと空を見上げると、色が微妙に灰色っポイ事に気づく。
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