私と君の確かな出来事
さっきまでは夏らしいカラッとした青空だったのに、雲行きが怪しい。


これは一雨来そうだな……


「蕾、多分もうすぐ雨降る」


「えっ?あっ、本当に空灰色っポイ…どうしよう、傘持って来てないや」


困った蕾はキョロキョロ辺りを見渡すけど、ここら辺にはコンビニ等傘を購入出来そうな場所は無い。


あるのは普通の一軒家や、マンション位だ。


「そうだ、近道しよっと」


近道?


閃いた!って顔をした蕾は、どこかへパタパタと走って行った。


後をついてゆくと、建物の陰で光が殆ど当たらず、薄暗い細い道の前で立ち止まっている。
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