私と君の確かな出来事
全速力で元来た道を走り抜け、ようやく蕾とオレがさっき入った入口から転がり出た。


だが男達が追ってくる可能性も考えて、1分程余計に走る。


「ハァ……ハァ……」


やっと立ち止まった時には、蕾は息をハァハァ乱して額から大量の汗を流していた。


当たり前か……7月の晴れた日に街中全力疾走したら、誰だってツライ。


オレはというと暑さと疲労は一切感じない幽霊なので、汗も息切れも無しで蕾が落ちつくのを待っていた。


「あ、ありがとう一流、助けてくれて………お陰で……」


「このバカッ!!」


「ふぇっ……?」
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