私と君の確かな出来事
呼吸が整い、パッと顔を上げた蕾を、思いっきり怒鳴りつけた。


まさか怒鳴られるとは思っていなかった蕾は、怒りのオーラを放っているオレを呆然と見つめ返す。


「だから言っただろう危ないって!なのに引き返さないからあんな目に遭うんだよ!」


「だ、だって早く帰らなきゃって思って―――…」


「だったらいつもの通学路走れば良かったのに、なんであんな薄暗い道通るんだよ!!お前オレがいなかったらどうなってたのか分からないんだぞ!?」


「なっ……」


大声で怒鳴り続けるオレに、最初は怯んでた蕾も段々ムカついて来たらしい。
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