私と君の確かな出来事
よく分からないけれど女の子が何か危ない事して、それにオレが怒っているらしい。


記憶が蘇る時は、いつもこうやって頭の中にスクリーンがあるかの様な感じで、その時の映像が流れるんだ。


「ハハッ………オレって生きてた時も、こんな性格だったのかよ……」


思わず自嘲的な笑いをこぼし、髪の毛をグシャグシャに掻きむしる。


今まで記憶が戻る度に嬉しかったけど、思い出して苦しい気持ちになったのは初めてだった。


「蕾……ごめんな」


しゃがみこんだまま1人そう呟くオレの傍に寄り添ってくれるものは、何も…己の影さえも無かった。
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