私と君の確かな出来事
あああ…足がパンパンで、足の裏に微かに重い痛みが広がってるよ……良かった、スニーカー履いて来て。


「うう……バカ一流。人がせっかく謝ってやろうと思ったのに、行方不明とは何様だ」


足を両手でマッサージしつつ、恨み混じりに吐き出した。


――――…違う。


本当は違う。本当はこんな事が言いたいんじゃない。


本音はきちんと謝って、また一流の穏やかな笑顔が見たいだけなの。


また優しい声で“蕾”って呼んで貰って、フワフワわたあめの様な安心感に包まれたいだけなの。


「約束したじゃない……一緒に思い出作ろうって………」
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