私と君の確かな出来事
そう話し終えると、バタッとテーブルに突っ伏す梓灯。


「我孫子さんまで知ってたの!?彼女夏祭りの時もCDショップで会った時も、全然そんな事言ってなかったのに!!」


よっぽど恥ずかしいのか、髪の間から見える耳はどちらも赤く熟していた。


カワイイな、梓灯………いつものイメージと違って“女の子”って感じのリアクションだ。


「1年生の時の、いつ頃好きになったの?」


「……蕾、去年体育の時間で100m走した時、私ケガしたの覚えてる?」


「えっ…?あ、あったね、そんな事」


梓灯の言葉に、私は1年前の出来事を思い出した。
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