私と君の確かな出来事
一流が幽霊だという事を1番理解していたのは私だったハズなのに、私はその事を忘れていたのかもしれない。


いや……見て見ぬフリをしていたんだ。


「だけど私……一流を成仏させるなんて………」


膝の上に置いた両手を、ブルブル震わせながら反論した。


アイツを成仏させるという事は、もう2度と会えない事を示している。


そんなの………私、耐えられない。


「だったら鍋内さんや中脇君に、国北君の事言える?」


「えっ?」


今の今まで必死に私を説得しようとしていた我孫子さんの声質に、“冷たさ”が加わって届いた。
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