私と君の確かな出来事
パッと前を見てみると、我孫子さんが私を睨んでいる。


「鍋内さんや中脇君に、『私が好きな人は幽霊です』って、堺さん胸張って言えるの?」


「そんな……言えるワケが――――…」


「友達や家族に言えない相手との恋愛なんて、私はオススメ出来ないわ。堺さん……国北君の事は諦めましょう」


我孫子さんは最後ら辺に諭す様に言うと、気マズそうに俯いた。


気がついたら、私達の周りに、重い空気が漂っていた。


確かに…恋の相手が幽霊だなんて、人には言えない。


言ったって“何言ってんだ?コイツ”って目をされるのがオチだろう。
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