私と君の確かな出来事
それだけじゃない。他人に姿が見えないんじゃもしくっつけてデートとかしてても、私は1人で楽しんでいる風に見える。


幽霊が彼氏じゃ婚姻届も出せないから結婚出来ないし、子供もムリ。


私が一流を好きでいる限り、普通の男女の幸せは望めない。


「堺さん、国北君を成仏させる気があるなら……」


――――ガタッ


何かを言いかけた我孫子さんだったが、私は全てを聞き終わる前に席から立ち上がった。


「ごめん…これ私の分」


サイフから千円札を1枚出すとテーブルに押し付け、そのまま走って店の外に飛び出す。


「堺さんっ!」
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