私と君の確かな出来事
我孫子さんが店内から私の名前を叫んでいるのが聞こえたけど、無視して走り続けた。


「ハァハァ……ゴホッ………」


どこをどう走ったのかも分からぬまま走り続け、ついに酸素が限界に。


走った上に夏の日光に当たって、体中が燃える様に熱い。


ボンヤリする思考の中、私は“とある場所”にたどり着いた。


「ウッ…ヒック……一流………」


その場所に入り込んで1人、先程の我孫子さんとのやり取りを思い出すと、涙が止まらなかった。


私は一流が好き。


優しくて穏やかで、ちょっと心配性だけど温かみのあるあの人の事が大好き。
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