私と君の確かな出来事
いきなり立ち止まった私を変に思ったのか、梓灯が不思議そうな顔で振り返る。


郁史もハテナマークを飛ばして立ち止まってるけれど、私はある一点を見つめ続けていた。


「なんで……私服なんだろう………」


私が見つめる先には、1人の男の子がいた。


私と同じ黒髪で、身長はちょっと距離があるから断定は出来ないけれど、多分郁史と同じ位。


その男の子は壁に背中を預けて、俯いている。


別にそれだけだったら特に気にしないのだが…なぜか男の子は私服。


この学校は制服校で、現に私のやや前にいる郁史はきちんと男子の制服を着用中。
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