私と君の確かな出来事
蕾の御両親も諒さんも斎君も心配してるし、いつまでもこんな所にいちゃダメだ。早く家に帰さなきゃ……


そう思って、自身の膝を抱え込んでいる、蕾の左腕に触れた。


「…一流……っ!!」


「ワァッ!?」


いきなり蕾が抱きついて来て、オレはバランスを崩して尻餅をついてしまった。


「えっ、えっ、つ、蕾!?」


何が何だか分からない内に、蕾の腕の力はギューギュー強まる。


その上フンワリと蕾から甘い香りが漂って来て、軽く目眩がした。


「蕾……」


「一流………私、一流の事が好きっ!!」


「…………え?」
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