私と君の確かな出来事
「好き……?一流が私を……?」


ホラ…蕾の暗闇に染まった瞳に、僅かな光が射してしまっている。


こんな期待させちゃいけなかったのに、口を滑らせてしまったオレは大バカだ。


「じゃあなんで“受け入れられない”だなんて言うのっ!?どうしてウソつくの!?」


「蕾落ちつけ!!オレの話、よく聞けよ!!」


友達に想い人を成仏させろと言われた上、両想いなのにフラれたパニックと怒りで興奮状態の蕾の頬を、両手で包み込んだ。


最早オレが今しなきゃいけない事は、蕾を家に帰す事じゃない。


ハッキリと、“オレを諦めさせる”事だ。
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