私と君の確かな出来事
「多分我孫子さんにも言われたと思うけど、オレは幽霊なんだ!死んだ人間なんだよ!」


「で、でも、私には一流が―――…」


「ああ、蕾にはオレがきちんと見えてるし、触る事も出来る。だけど今まで我孫子さん以外でオレの姿と声が認識出来た人がいたか?蕾はオレが食事をとったり走ったら息切れしたり、“人間”なら当たり前の事した所見た事あるか!?」


我ながら驚く程の勢いでズラッと言い切ると、蕾の目がハッと丸くなる。


どうやら少しは遠ざけた現実に目が向いた様だが、まだやめる事は出来ない。


ごめん蕾…許してくれ…そして分かってくれ!
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