私と君の確かな出来事
蕾が何回も繰り返す“どうして”の続きは、分かっている。


どうして両想いなのに、一緒にいられないんだ……こう言いたいんだ、蕾は。


オレだって一緒にいたいよ。


つき合って、結婚して、子供や孫が出来て………そういう『普通』を蕾と共に経験したかった。


だけどオレが死んでいるという事実を変えられない限り、それらは全て不可能なんだ。


オレの存在が君の足枷になる位なら、オレは君から離れる道を選ぶ。


「ごめんな、蕾………」


愛しい女の子の悲しい叫びだけが響く、暗闇の中……涙がもう一滴だけ、頬を滑り落ちていった。
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