私と君の確かな出来事
梓灯と郁史の2人が、私の指先を辿って男の子の方に顔を向ける。


しかし、どちらも首を傾げた。


「男の子?男の子って誰の事?」


「私服着てる男子なんて、いねぇじゃねぇかよ」


――――えっ!?


「な、とぼけないでよ2人共!!ホラ、あそこにいるじゃん!!」


私は今度はコッソリとではなく、思いっきりハッキリと男の子を指差して訴えた。


郁史も梓灯も、目が悪いワケじゃない。どちらも裸眼でもちゃんと見えるレベルに、目はいい。


なのに“誰?”って……!男の子はあそこにいるのに、またこの2人私の事からかってるの!?
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