私と君の確かな出来事
私の名前を呼んだ我孫子さんの声は、何だかフワフワのお布団みたいに柔らかく、温かい。
「幽霊ってね、最初はいい幽霊でも、成仏出来ないままこの世をさ迷い続けると、悪霊になっちゃうパターンもあるの」
「え――――…」
「段々自分の心を抑えきれなくなって、人間時代に家族や友人だった人も襲う様になるのよ。堺さんは国北君が悪霊になる可能性があると知っても、“成仏なんか嫌だ”と言い続けるの?」
呆然とする私に一生懸命語る我孫子さんは、今にも泣きそうな顔をしていた。
あんなに優しい一流が、悪霊になっちゃう………?
「幽霊ってね、最初はいい幽霊でも、成仏出来ないままこの世をさ迷い続けると、悪霊になっちゃうパターンもあるの」
「え――――…」
「段々自分の心を抑えきれなくなって、人間時代に家族や友人だった人も襲う様になるのよ。堺さんは国北君が悪霊になる可能性があると知っても、“成仏なんか嫌だ”と言い続けるの?」
呆然とする私に一生懸命語る我孫子さんは、今にも泣きそうな顔をしていた。
あんなに優しい一流が、悪霊になっちゃう………?