私と君の確かな出来事
そんなの嫌だ……一流が悪霊になって、その上家族や友人だった人達を襲うかもしれないなんて………


「嫌だ……」


無意識に涙を溢し、一言だけ呟くと、我孫子さんは1度深く頷く。


「国北君と離れたくない気持ちは分かるけど、悪霊になったら堺さんの事も分からなくなっちゃう。彼に成仏するという決意があるのなら、国北君がずーーっと笑っていられる選択をしましょう……?」


ポトリと…我孫子さんの目からも涙が出て、床に落ちた。


梓灯も郁史も、微妙に目が赤い。


3人の姿を見てると、心が太い鎖でギチギチに縛られた様な感覚を覚えた。
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