私と君の確かな出来事
今度入って来たのは一流で、神妙な面持ちでドアノブを持ったまま私を見ている。


「我孫子さんと郁史と梓灯は……?」


「3人共帰ったよ。我孫子さんがオレはここにいるって2人に説明してたけど、やっぱりどちらもオレの事見えなかったみたい」


「……そう」


力なく答えると、一流がパタンとドアを閉めて私の所にやって来る。


左隣に立つと、そのままストンと座った。


言え…私、言いなさい……


私がこの一言を言わない限り、私は一流をずっと苦しめる事になってしまう。


「一流…成仏してもいいよ。ごめんねワガママばっかり言って……」
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