私と君の確かな出来事
ずっと私1人だけの気持ちを押しつけて一流をこの世に縛りつけるより、広い広い天国で笑って暮らす方がずっといいよね?


「一流…成仏する前に、1つお願いがあるの……聞いてくれる?」


一流の胸の中で尋ねると、上から「うん」とただ一言だけ返ってきた。


その声は震えていて、私を抱きしめる一流の腕もカタカタと小刻みに震えている。


きっと上を見上げたら一流も泣いているのだろうけど、今日はもう皆の泣き顔見たくないし、アンタも見られたくないだろうから見ないであげる。


「あのね…私も思い出が欲しいんだ。最後に……ちょうだい?」
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