私と君の確かな出来事
顔を上げてみると、その何かは一流の右手。


「蕾、約束しただろう?今日はとことん楽しむって。だからそんな悲しそうな顔しないで、笑ってて欲しいな、オレ」


フワフワと優しく頭を撫でられて、危うく泣きそうになってしまった。


ああ……一流は出会った時から、いつも私が落ち込んでいたりすると、こうやって頭を撫でてくれたよね。


一流が成仏したらもうこういう事はなくなっちゃうんだろうけど、いつまでも沈んじゃいられない。


「そうだね一流。今日は楽しい日にするんだったよね……」


「うん。楽しい事はいい事なんだろう?」
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