私と君の確かな出来事
一流の『1ヶ月間』というセリフに、知らぬ間に流れていた涙が一瞬止まった。


そうだ…一流と私が出会ったのが今月の初めで、今はもうすぐ8月になろうという日。


私達は1ヶ月近くも毎日一緒にいたんだ。


「いきなり死んじゃって記憶も無くて、絶望していたオレを蕾が救ってくれたんだ」


「い…ちる…」


「だから天国に行っても、笑って暮らせそうだよ。蕾も……笑ってて欲しいな」


最早下半身は完全に見えなくなり、上半身も消えてきている一流。


それでも見慣れた優しい笑顔は、まだハッキリと見えていた。


「うん…私も幸せだったよ」
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