私と君の確かな出来事
戸惑い気味に私に声をかける梓灯と郁史に、私も段々と頭がサーーーッと冷えてきた。


もしかして……梓灯も郁史も、本当にあの男の子が見えてないの?


見えてるのは――――…私だけって事?


そう言えばさっきも思ったけど、この学校はきちんと制服があるのに私服で来てる生徒を誰も注意しないなんて、おかしい。


廊下を行き交う先生や生徒達は、みーーんなまるで男の子がそこにいないかの様に歩いてる。


……って事は、今この場にいる人物であの男の子の姿を認知出来ているのは………マジで私1人だけ!?


「いやいや…そんなワケが無い……」
< 31 / 325 >

この作品をシェア

pagetop