私と君の確かな出来事
「意識を回復した時は失った記憶何から何まで思い出してて、きちんと蕾の事も覚えてた。絶対怒られるって分かっていたけどどうしても会いたくて、リハビリ超頑張ったんだ」


「リハビリ……」


そうだよね…一月も眠っていたら、体動かなくなっててもおかしくない。


ツラくて大変だったろうに、私の為に頑張ってくれたの?


「ちゃんと動ける様になったら、蕾に会いに行こう。そう決めたら2ヶ月もかかっちゃったけど、やっとこうやって抱きしめる事が出来た」


一流は柔らかな声音でそう言うと、ゆっくりと私の体を離す。


「蕾」


「…ハイ」
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