私と君の確かな出来事
あんだけクッキリハッキリ見えている人が私以外には見えてないなんて、あり得ない!!


そう思うのに……冷や汗がダラダラと流れ出し、足はガタガタと震える。


さっきまであんなに暑かったのに、まるで冷蔵庫に入れられたかの様に寒くなって、血の気が引いて行く。


「つ、蕾大丈夫!?顔真っ青だよ!?」


よっぽど私の顔色が悪くなっていたのか、梓灯がアセアセと私に問いかけた。


「やっぱり具合悪いの?保健室行こ!」


「先生にはオレ等が言っとくからさ」


「梓灯……郁史………」


「――――あのぉ……」


……えっ?
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