私と君の確かな出来事
友達や周りの人達が誰も認知出来ていないらしい男の子が、すぐ傍にいる。


その事を理解した瞬間、私は悲鳴を上げてしまった。


手の力が抜けて、持っていた教科書やペンケースが廊下に落下。


「蕾っ!?」


「どっ、どうした!?」


梓灯と郁史が驚きの形相で呼びかけても、返事をする余裕なんて無かった。


「ア……アワワワ、ワ…………」


全身をガタガタ震わせて、男の子を凝視する事しか出来ない。


梓灯と郁史が私の両隣に移動して私の顔を覗き込むと、男の子の全身が見えた。


「見えてるんですか?オレの事……」
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