私と君の確かな出来事
もう嫌だ!なんで私がこんな目に遇わなきゃいけないの!?


「お願い…消えて……」


どうにか喉の奥から声を絞り出し、いなくなってくれる様に頼んだ。


「…そうですか。すみません、怖がらせて……」


そう答えた幽霊の顔は、とても切なそうで――――…私は胸がギュッと絞めつけられる様な感じがした。


なぜだか恐怖感が砂が風に巻き上げられる様にサラサラと消えてゆき、戸惑いの感情が生まれる。


「あの……」


「オレの声聞こえるのアナタだけだから、ついストーカーみたいなマネをしちゃって…本当にすみませんでした」


あっ……
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