私と君の確かな出来事
キョロキョロと辺りを見渡し、細心の注意を払う私に対し、実にのんびりと返す幽霊。


ジロッと睨むと、気マズそうに「すみません……」と頭を下げた。


「私ご飯食べながらでもいい?話聞くの」


「ハイ」


「じゃっ……そこ座って」


2人して芝生に座り込むと、暑苦しい夏には珍しい涼風が吹き抜ける。


「「………」」


数秒お互いに沈黙し合ってから、先に私が口を開いた。


なんで私、幽霊と2人でご飯食べてるんだろう……


さっきはあんなに怖かったのに…自分で自分がよく分からない。


「アナタ…本当に死んでるの?」
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