私と君の確かな出来事
私がいつもの席に着くと、お母さんが私の前にご飯を並べてくれた。


いつもの和やかな光景なのに、リビングの片隅でキョロキョロ周りを見ている一流がやっぱり気になる。


「蕾?お前何窓見てんの?何かいるのか?」


私が一流をチラチラ見ている事に気づいた諒お兄ちゃんが、そっちを見た。


両親と斎もつられて見るが、誰も一流には気づかない。


「な……何でもないよ!いただきます!」


これ以上一流を傷つけない様に、私は大急ぎで朝ご飯を食べ出した。


やっぱり…昨日もそうだったけど、一流の姿は私の家族にも見えていない。
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