私と君の確かな出来事
同じクラスの女の子が、こちらを見て眉間にシワを寄せているのに先に気づいたのは、一流の方だった。


女の子が目をゴシゴシ擦っている間に、一流はパッとシャーペンを机に戻す。


『蕾、腕離して』


『えっ?』


『いいから腕離して、何でもないフリして!!』


切羽詰まった表情で言われ、言われるがままに掴んでいた一流の腕を離した。


そして女の子がこっちに来たんだ。


『ねぇ堺さん…いきなり変な事聞くようだけど、今そのシャーペン宙に浮いてなかった?』


『ええっ!?』


『あ、ごめん。多分私の見間違いみたいだね』
< 82 / 325 >

この作品をシェア

pagetop