エースのきみと恋を.
すると...



「わり。待たせた」と
申し訳なさそうに彼が近寄ってきた。



「あ、ううん。大丈夫」





ーーーーー






どうやら瀬賀くんとは帰る方向が一緒らしい。




「なぁ...なんで俺の名前知ってんの?」



少しの沈黙のあと、
彼から切り出されたその言葉。






「知ってるも何も、瀬賀くん有名だもん」


「俺って有名なの?」


「そりゃーね」





そんな何気ない会話をした。







「じゃあ、そっちはなんで知ってたの?」


「さっきの言葉そのまま返すよ」


「え?」


「有名じゃん、南川こそ」





もしそうだとしても君より知名度低いよ。瀬賀くん。





「南川ひなた。
フルネームだって知ってるぜ?」



あはは(笑)と初めて笑った顔を見た。




私も対抗してみた。




「私だって知ってるよ?
瀬賀輝くん。フルネームだって知ってるよ?笑」





そっくりそのまま返してみた。



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