そっと鍵をかけて。
残念ながら昨日のことは覚えている。
折角なら記憶も飛んじゃえばよかったのに。
いやでも、隣のこの人のあんなトコやこんな顔を忘れるのは勿体無いから
やっぱり残ってたことに感謝しておこう。
隣で眠る彼を起こさないように、そっとベットから抜け出して
散らばった服を手早く身に纏う。
何度も仲間と訪れたこの部屋の間取りは覚えてる。
廊下で拾ったバックを持って、洗面所の鏡を借りる。
「私の手にはあまりすぎるいい男だもの。」
鏡にうつった自分を見て溢れた本音に、びっくりして嗤った。