そっと鍵をかけて。


昨日は彼の送別会だった。


なんだかんだ1年ぶりに会った彼は相変わらずの男前で、

来ていた女は揃いも揃って彼狙いだったようだった。


高身長で高学歴、顔も家柄もいいくせに

親しみやすいキャラなのだからモテないわけはなかった。


そんな黙っていても女が寄ってくる男に、

どう頑張っても下の上な私がなぜ気に入られたのかは

きっと今世紀最大の謎だ。

(きっとその頃彼はインフルエンザにでも侵されてたんだ。)


昨日も綺麗所にぐるりと囲まれて飲まされ、悪友たちに飲まされ。

…て、いたはずの男が、


いつの間にか私を抱えて酔いつぶれていたのだった。




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