隣の席の被り物系男子。


「正解。
斎藤すごいな。」


パチパチと拍手する音が聞こえる。

斎藤の綺麗な文字がずらりと並んでる。

問題は発展的な問題で考えても正直わからない。

ちっ…。

負けたか。

斎藤に負けたか、勉強。

でも、頭良かったんだ、斎藤。

すっとかぶり物を被ってる斎藤を見る。

表情なんてわからない。

…。


「かぶり物、外せばいいのに。」


表情が分かればいいと思う。

何を考えてるのかわからないから。

だけど斎藤は違うことを思ったらしく


「またそれ?
俺は外さないよ。」


そう冷たく言った。


「違くて。
顔見たいとかじゃなくて、表情とか分かんないからみんな関わりにくいと思う。」


慌てて弁解の言葉を述べた。

いや、なんで、そんな全力で弁解してんの、自分。

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