隣の席の被り物系男子。
ここで顔をあげられるほどの男なら、こんな被り物を被って静かにしているわけがない。
出来ないから、俺は今、被り物系男子とやらになってるんだ。
だから…
名に食わぬ様子で本を読むしかない。
クラスには不穏な空気が流れ、かなり気まずい。
でも…。
ムカつく。
山田さん。
あんたは何をしたいんだ?
散々人を振り回しといて、今更ふざけんな…
昨日みた笑顔じゃない暗い顔の山田さんが頭をちらつく。
なぜか無性に助けたくなって
手を差し伸べたくなって…
気づいたら、
らしくもない言葉を、行動を、とってしまっていたんだ。