大家様は神様か!
4.金平糖にヘルプミー
「何や華火、死にそうなツラしとんなあ」
朝、登校してきたむっちゃんは、開口1番私にそう言った。
「うおっ、しかも華火が10分前に席についてるやん!こいつぁ雪が降るでぇ…」
派手な黄色のリュックを置き、むっちゃんが窓の外を見る。
今日の朝はどうしても大家さんに会いたくなくて、いつもよりかなり早めに家を出たのだ。
「……お゙はよお゙むっちゃん゙ん゙ん゙」
「ゾンビみたいになっとるで」
青い瞳を訝しげに細めて、むっちゃんが引いた顔になった。
そりゃそうだ。
昨日の夜は一晩中さんざん泣いて、目は腫れ放題で顔色も悪い。
悲しいくらいにバッドコンディションだ。
「とりあえずコレ当てとき」
目元にひやりとした物が当たる。
むっちゃんが飲んでいたオレンジジュースだ。
この子は常に何かしらのジュースを飲まなきゃ死ぬのかな。